抜歯後に発生する腫れの原因と治療法は?

尾崎クリニック 歯科医師の加須屋です。

歯が割れたり、重度な歯周病のため、不運にも、抜歯となる場合があります。抜歯後に必ず出現する腫れ。これは、血液、リンパ液細胞外液の蓄積、細胞の破壊などにより、ほとんどの症例において出現するとされています。

親知らずの抜歯では、埋伏の状態、被覆骨の硬さ、炎症を繰り返した回数などにより、手術の侵襲や症状も多種多様となりやすく、骨の切削量が多くなると術後の反応性炎症も強く現れ、創傷治癒に影響するとされています。

抜歯にかかる時間と腫れとの間には密接な関係があり、手術時間が長いほど顕著な腫れが出現しやすいと報告されれいます。

腫れといっても、無痛性のものと有痛性のものがあります。

 

【無痛性】

気腫:広範囲にわたる歯肉の剥離を行なった場合、空気が組織の隙間に入ったまま排出されず、組織内に残留した状態で縫合した時に起こるとされています。残留した空気は体温によって膨張し、腫脹様の膨隆をきたします。疼痛は少ないですジャリジャリした様な音を認めます。また、歯を削る時のエアーが軟組織に入り、気腫を起こすこともあります。気腫は自然に排出、吸収し消失します。

浮腫:抜歯が困難であったり、多数歯抜歯などで長時間の手術や骨削合を行なった場合に浮腫を生じることがあります。目の下、頬などに腫脹を認めますが、圧痛を認めないものです。

血腫:麻酔の注射針による血管の損傷や、広範囲にわたる歯肉の剥離に伴う内出血により生じ、疼痛を伴わないことが多いです。

【有痛性】

抜歯などの外科的侵襲が加わっておこる炎症反応の一つで、痛みと同時に起こります。炎症の増悪や、二次感染で起こるものもあり、急性に波及する場合は、蜂窩織炎といって重篤な炎症が起こる場合があります。

 

では、治療法はどうすればいいでしょうか?

無痛性も場合は反応性腫脹の状態であるので経過観察でいいかと思います。時間の経過とともに、軽快していきます。

有痛性の場合は、抗生剤、鎮痛剤を内服する必要性があります。進行性に拡大する場合は、切開などの外科的な追加処置も必要となります。

 

当院では、口腔外科専門医と認定医による手術を行っています。また、術後の腫脹緩和のための局所注射や点滴を行います。

詳しくはスタッフにお尋ねください。

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