親知らずは抜くべきか?抜かないべきか?どうする???

尾崎クリニック 歯科医師の加須屋です。

親知らずは前歯から数えて8番目に生えてくる歯のことです。昔は、親がすでに他界してから生えることが多かったことから、親が知らないということで親知らずと言われるようになったと言われれいます(諸説あり)。

私自身も「親知らずは抜かないとダメですか?」とよく聞かれます。どの歯でもそうですが、抜歯するには審査・診断、要するに理由がいります。
① 親知らずの周囲の歯茎が腫れたことがある。
② 親知らずの一つ前の歯が虫歯になっている。
③ 歯ぐきに埋まっているが一つ前の歯の歯周ポケットから親知らずが触れる。
④ 歯ぐきに埋まっているがレントゲン上で膿の袋がある。
⑤ 矯正治療のため。
以上の事があれば抜歯するべきかと考えています。

上の親知らずと下の親知らずでは難易度とリスクが異なります。

上の親知らずは、骨が柔らかいことから比較的に抜歯しやすく、口腔外科出身でない開業医の先生でも抜歯が可能な場合があります。リスクとしては、副鼻腔(鼻の横の空洞)が近接しているため、抜歯後、口の中と副鼻腔、副鼻腔と鼻が交通し、飲んだ水が鼻から出るといった症状になる場合があります。その際は、再度麻酔して、歯茎を緊密に縫合することが必要になります。基本的には太い神経や血管は走行していません。しかし注意深く抜歯しないと親知らずが副鼻腔の中に入り込んでしまう場合がありますので注意が必要です。

下の親知らずは、骨が硬く、横向きに生えていて、頭の一部しかみえていないということが多いです。麻酔して歯の分割や、周囲の骨の削合が必要となります。上の親知らずとは異なり、口腔外科出身の先生が行う事が多く、難しい手術の一つです。リスクとしては、神経と血管の管があごの中をトンネルのように通っていて、それが、親知らずと近い事で、神経損傷による鈍麻などの症状を起こす事があります。管の位置をしっかりと把握するために、CT撮影を行い三次元的に正確な位置を確認してからの抜歯をお勧めします。
尾崎クリニックでは、抜歯後の止血剤の使用、薬による腫れの予防、点滴による感染防止など行う事が可能です。一度ご相談ください。

希に、親知らずを歯のない部位に移植することが可能な場合があります。いろいろな条件が必要ですが、いずれダメになるかもしれない奥歯の代用品として親知らずを抜かず残している方もいます。歯の移植は保険治療として認められています。

私としては、しっかり磨けているもしくは、噛むことに使っているのなら、親知らずは残していきましょうとお伝えします。抜歯した歯はかえってこないので、抜く理由、リスクをしっかりと説明して、患者様と私がお互いに納得いく形での処置を行っています。
親知らず抜こうか、抜かずに置いといてもいいのか悩んでいる方はご相談ください。

お問い合わせからメールでの質問も可能です。できる限り迅速に返信させていただきます。

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL